2010年2月6日土曜日

すべての道はベケットに通じる

↑のご著書の出版記念パーティへ。タイトルのホモソーシャルな響きにはちょっと引いてしまいますが(マジで、「仲間たち」はみんな男性作家だし)、中身は重厚かつオリジナリティ溢れる論文集です。「ほんとは文学やってない」文学研究者がかっこいいとされる風潮がなきにしもあらずの昨今、ここまで腹括って文学やってる本、かえって新鮮かも。

あとがきで絶賛(?)されているクッツェーの新作 Summertime (2009) ですが、確かに面白いけど、キワモノ感はぬぐえません。「ジョン・クッツェー」の死後、伝記作者が彼の伝記を書くために、ブラジルとかまで出かけて行って、昔彼がストーカーした女性だとかをインタヴューする、というお話。自意識過剰、自虐ネタ好きはよくわかるけど、ここまでして自分を売らなくても(ただし、ここに書いてあることの大半は、フィクションじゃないかって思いますが)。あと、90年代半ば以降の彼の作品は基本、それ以前の作品のメタコメンタリですが、この本に関しても、それ以前の作品知らないとよくわからないし。

パーティの席上で可笑しかったのは、ストーカーされたブラジル人ダンサーのインタヴューを読んだT尻さん、「クッツェーはまさに自分にそっくり」と感情移入したんだそうで(さすがにストーカーしたことはないそうですが)。私はしっかり、ダンサー側に感情移入して「こんな男はヤだ!」と思ってしまったもんね。T尻さんとは文学の趣味が比較的近いのかと思っていたら、こんなところでジェンダーの差異が現れてしまいました。

そう、でも、クッツェーちゃんとやるには、あのおそろしくつまらなそうな彼の博論も、読まなくてはいけないのでしょうね・・・

2010年2月3日水曜日

スヌーピーの世界

学部のゼミの打ち上げで、いただいてしまいました(↑)。この歳になって、学生からぬいぐるみなんぞもらってていいのか?とも思うけど、けど、やっぱりかわいい。

スヌーピーで卒論書いた学生に教えてもらったのですが、スヌーピーの公式サイトなんて、あるんですね。リンクを辿ると、1950年からのスヌーピーも見られますが、昔のスヌーピーって、もっとずっと犬っぽい。ミッキーマウスとかも、昔はもっとゲッ歯類ぽいから、描いてるうちに抽象化(?)されてくるのでしょうか。

2010年1月30日土曜日

同窓会

授業も終わったし、一刻も早く研究モードに入りたいので、とりあえずたまっている仕事のお片付けモードに入ることに。博論審査の報告書を書き、懸案の出版企画書を書き、「編集後記」を書き(これは、せっかく書いたけどボツにされてしまうみたいですが)、語学研修の座談会の原稿をやっつけ(今年のテープ起こしはマジでひどい、使い物にならない)、博論の相談に乗ってほしいという院生に会ってどっさり原稿をいただき、帰宅後の机の上には、これから読まなくてはならない修論が8本。メールを開けば、またまた推薦状のお願い(今週3人目)。いくらやっても仕事はぜんぜん片付かない、というのは、片付けた後から、どんどん新しいのが降って来るから。

そんなこんなで気が滅入り、高校の同窓会、気分はドタキャンしそうでしたが(すいません)、行ってよかった。東京のど真ん中に、同じ市出身でしかもみんな同じ歳の人が30人も集合しているのって、考えてみれば不思議だったし、最初はお互い誰だかわからなかったけど(25年会ってない人とかいたから)、しばらく経つとみんな、高校生に戻ったみたいになって、先生の悪口(?)とかで盛り上がって。なんかでも、東京で会うと、方言ってどうしても出ないですね、空気のせいかしら。

2010年1月28日木曜日

ジェンダー研究はフェミニズムではない?

それなりにイヴェントフルな2日間。昨日は午前中に「ジェンセカ」の自分の授業、90分しゃべり続けて疲れた(やっぱ、映画も混ぜればよかった)けど、まあ充実した授業だったんじゃないかと自負していたら、感想文に「ジェンダーの授業でフェミニズムを語るのはやめろ」と書かれて、心が折れました・・・

気を取り直して、昼休みに紀要のデザイナーさんと面談、何ページ削ればいくら安くなる、みたいなお話(あー、すべてはお金との戦いなんですね)。4時からはI上先生の最終講義。私はMC担当だったので、最後にそれなりに気の利いたコメントでもしてまとめなければ、と緊張して聞いてましたが、最後の15分の話が、すべての記憶を上書きすることに。この部分、録音もされてないので、聞き逃した人、一生後悔すべきです。

今日は補講日なのに律儀に大学院のゼミをやった後、博論の口述試験。試験は公開だし、今日はやたら傍聴人多かったけど、一応試験は試験なので、ネタにするのはやめます(ま、「すごい勉強になりました」くらいのことは、書いてもいいよね)。

2010年1月23日土曜日

トルコ女性のヨーロッパの印象

なんかまだちょっとめげてますが、ともかく「ジェンセカ」のレジュメ(というか、ほとんど台本みたいなの、箇条書きにするほうが面倒だから)を完成させ、TAのNくんに送付。来週はほかに博論審査とかもあるし、仕事はさっさと片付けないと。

受講生でこれを読んでる人がいるかどうか知りませんが、ちょっとだけネタばらしを。先週のお話につなげる意味もあって、トルコ人姉妹(↑)の「自伝」のお話です。この2人、ロティの小説のモデルになって、その後ヨーロッパに逃亡し、Grace Ellison というイギリス人女性(トルコ大好き女)に会って、彼女のとても偏向的な編集の下で、書簡集と小説を英語で出版しました。ペンネームにロティの小説の登場人物の名前をそのまま借りたりしてるし、姉妹のエージェンシーのあり様は、なんだかよくわからないのですが。

ちなみに↑の写真は、お姉さん (Zeyneb Hanoum) の書いた A Turkish Woman's European Impressions (1913) に挿入された写真のうちの一枚。これ、スイスかフランスで撮影されたはずで、このとき2人は普段はこんなマスク着けてなかったので、この衣装は撮影用で、オリエンタリストの視線を意識したマーケティング戦略なんでしょう(で、「マスクがとってもお似合い」とエリソンおばさんがキャプションつけてます)。

昨夏はロンドンで、このエリソンおばさんの書いたものをいろいろ調べていました。自分ではフェミニストのつもりらしいんだけど、女性参政権運動に反対したり、アタチュルク政権によるヴェール廃止は「美的でない」と文句言ったり、なんか、すごく変な人。一次資料調査って、内容のないもの、ばかばかしいものを延々と読み続ける作業なので、いくら読んでもぜんぜん頭良くなるような気がしないのがつらいです。

2010年1月22日金曜日

後悔

先週末の疲れで、なんとなく不調な1週間。おまけに、凹んでしまうこととか、悔いの残ることだとかいろいろあって、体調悪いとますます心も落ち込みます。でも、水曜の「ジェンセカ」講義でKさんの謝雪紅のお話には大いに啓発されたので(『自伝の小説』、読まなきゃ)、来週の自分の講義、なんとかがんばります。

2010年1月14日木曜日

スローライフ新年会

非常勤先の授業最終日。終わった後、受講生と国分寺のカフェスローへ。近辺の方はご存知かもしれませんが、オーガニック・フェアトレード系のお店で、お客さんもなんとなくエコな雰囲気。野蛮なクニタチの水準だと私はとても小食なんですが、こちらの院生のみなさん、その私がびっくりするほど、とにかく食べない、飲まない。帰宅後、お腹がすいてしまいました。

日が前後してしまいますが、昨日の「ジェンダーから世界を読む」、L先生の崔承喜のお話はおもしろかった。この講義、年末まではすべて抑圧・排除・歪曲系(?)のお話だったんのですが、1月の3回は抵抗系、というか、「アジアの女はいかに語る/表現する(ことができる)か」というテーマが続きます。